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富士山の短い眠り [雑誌記事]

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「富士山噴火と崩壊の恐怖」AERA 2011.12.12号より

3.11を引き金とする大噴火と山体崩壊がもし富士山で起きたらという記事。現時点ではなんの兆候もないが、火山学者は山の静けさを不気味に感じているという。とくに、4日後の3月15日に富士山の直下で生じたM6.4の地震は、噴火がありうることを感じさせた。宝永地震(1708年、四国沖から駿河湾にいたる巨大地震)の49日後に大噴火を起こしたように、大地震が噴火を誘発することは否定できない。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は、「正直なところ深いところで何が起きているかは、わからない」と述べており、事前の予知がたやすくはないという。

そうした噴火の不安を抱えつつ、富士山の前歴についてみると、現在の穏やかで美しい有様は一時のものでしかないことがわかる。先に述べた宝永の大噴火が目新しいが、平安時代にはきわめて活発であったらしく、多くの古文書に記録されているし、現在の桜島のように噴煙を上げる姿が日常的でさえあったという。この辺りのことは「古典に見る富士山の噴火」2008予防時報235,伊藤和明防災情報機構会長、に詳しい。延暦(800-802年)、貞観(864年)、承平(932,937年)と大噴火が繰り返され、とhくmに貞観大噴火は有史以来の最大規模で膨大な量の溶岩流が本栖湖とせのうみに流下したと記録されている。(ちなみに、この大噴火の5年後に、あの貞観地震が起きている)


富士山が一時の眠りから覚めるかもしれない、という警告は明瞭な根拠もデータもあるわけではないが、あの大地震のあとではもう何が起こっても不思議ではない。地震や津波よりも事前の予知ができる可能性が高いというのが安心だが、霧島の新燃岳の予知ができなかったという前例もあるので大丈夫かなとも思う。

そんな不安をさらにかきたてるのが、この記事にある山体崩壊の可能性だ。2900年前に東側が大きく崩壊し、現在の御殿場の町のあたりは最大で50mの厚さで埋まっているという。崩壊の発生理由が噴火か地震かはわかっていないが、富士山は過去に少なくとも4回の大崩壊をおこしていることは事実のようだ。しかし、現在の富士山はよほどのことがない限り山体の崩壊は考えにくいという。ちょっと安心だが、よほどのこととはなんだろうとまた考え込んでしまいそうだ。


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