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自分を信じはい上がる [新聞記事]

「私の履歴書」日本の若手へ、トム・ワトソン、2014年5月30日、日本経済新聞朝刊を読んで

トム・ワトソンの「私の履歴書」、大変に読み応えのある内容が続き、そして最後に日本の若手選手、とくに松山そして石川遼への熱いメッセージである。

石川について言えるのは、まず、あの若さで多くの注目を集めたことに伴う重圧は相当なものだったろう、ということだ。

ここでワトソンは、石川遼が米国のメジャーの厚い壁にはね返され続けている現状を前提にして語っていることが明白である。重圧をエネルギーに転じて前進できていた時と、もがき苦しんでいる今はいったい何が違うのか。この難問の前に立ちすくむ石川遼に対して、ワトソンはあくまでやさしく語りかける。

次に言えるのは、ゴルフには良い時と悪い時がつき物だということ。その繰り返しの中で、できるだけ好調を長引かせ、不調を短くすることが肝要だ。好不調の波を重ねながら、最終的には自分のゴルフが右肩上がりになっていけば、それでいい。

「最終的には」という言葉から、焦ることは何もないよというワトソンの声が聞こえてくる。そしてさらに、具体的なアドバイスを述べている。

できる限り、練習を重ね、何が自分に合っているかを突き止めろ
探求とか追求とかいう言葉ではまったく足りないような世界がそこにあるということか。
試合中でも自分のスイングを変えることを恐れてはいけない。そこから学ぶことは必ずあるからだ。
機械のようにスイングしろというのとは違うらしい。人間が体を使ってボールを操ることの難しさ奥深さとでもいうことか。
「こだわり」は時に重要だ。しかし、それがうまくいかない時には、変える勇気も持たなければならない。
そして、ここで、ジャック・ニコラウスを引き合いに出し、
ジャックはマスターズ選手権の最終日でもスイングを変えることを厭わなかった。
変えることに対する「恐怖」に打ち勝つしかないのだと述べている。

最後に次のように語っている。
ゴルフにおいて「己を知る」ということだ。そこに他人が入り込む余地などない。自分自身を信じ、皆、はい上がっていくしかない。
信じるものは自分だけ、恐怖に打ち勝ち、はい上がる、それしかないという。煉獄の道だ。

この暗示に満ちたワトソンの記事が出たのが5月30日。そしてその翌々日の6月1日に新しいヒーローが誕生した。

「松山英樹、米ツアー初優勝 男子ゴルフ、日本勢で4人目」
なんという偶然、そしてあまりにも残酷で輝かしい希望。それでも、だからこそ、石川遼、がんばれ。



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