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「みちびき」は独自路線固執で不利か [新聞記事]

このところ日経の社説は首を傾げることが多いが、今朝(9月8日)のはなんとも...

「優先度が問われる日本版GPS」と題して、この土曜日に打ち上げが予定されている「みちびき」に要する735億円の効果に疑問を投げかけ、「基盤整備よりも利用技術の開発と実用化で世界をリードすべき」と断じている。米国のGPSというしっかりした基盤があるのに、なぜ日本が独自方式の研究開発にこだわるのか、またもう一つの高価なガラパゴスか!という意見のようだ。

確かにこのあたりの議論はいろいろとあってもよいのだが、気になるのはそこではなく、準天頂衛星「みちびき」が日本独自の技術をベースとした測位衛星であり、米国のGPSとは対立あるいは競合する技術と位置づけられるとしてこの社説が書かれているのではないかということである。もしそうだとすればそれは少し勘違い。だが、実は勘違いではなく、あえて(わかっていて)こうした論調をとっているのかもしれない。でも仮にそうだとしたら、それは社説としては不適切だと思うが。

「みちびき」は、米国GPSの性能を補完し補強することを主たる目的として造られたものであり、あくまでもGPSありきのシステム。GPSという巨大なインフラに「ただ乗り」でずっとやっていたが、精度とか使い勝手とか不満がないわけではなく、それを自分たちの工夫とカネで改良しようというのが準天頂衛星のアイデアである。他人の土俵を借りてうまいこと自分の商売をしようという、いかにも日本的な改良・改善型のアプローチ。しかし大家である米国に嫌な顔をされれば店子はいられない、実現可能性はゼロになる。リスク分散、特に東アジア地域でのという説明が大家さんによい心象を与えたかもしれない。日本の方式が米国にとってハッピーならば他の地域にも採用させればいいし、と思ったかどうか。

もっとも、最初はこっそり軒先だけ借りておとなしくしているが、実績が積まれ余裕ができてきたら、将来自立できる技術可能性を否定はしていない。そこは駆け引きでもあろうし国家の戦略に違いない。

そもそも、メディアにこんなことを書かれる前に、やはりしっかりとアピールが必要だ。「みちびき」たった一台でもそれなりの果実が得られ、その先にはこんな未来もあるという説明は手を抜かずにやったほうがいい。こうした話しは、日本を元気づける材料にもつながることなので、上手にわかりやすくアピールしたい。

もし万一、土曜の打ち上げが失敗すると、お約束の超バッシングが始まる(日経の社説はその準備か?)。だとするとその前のほうがよいような気もするのだが。


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