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パティシエを目指す若者たち [気がついた]

住んでいる街の再開発が進んできている。いつのまにか、高層マンションが何本も立ち上がり、睥睨される多くの民の一人になってしまったことに結構カチンときているが、その話題はまた別の機会にするとして、今回はその再開発のために生じた変化とその中での発見について記したい。

大規模な再開発はマンション群とそれに関連するビル群の整備を含んでおり、周辺の道路も全面的に付け替えられつつある。ある日突然に(通知を見逃しているだけだが)通勤路が大きく変わっていて驚くことが続いている。そうしたプロセスの結果なのだろうが、このごろ駅までの通勤路で今まですれ違ったことのない人たちと出会うようになった。

実は私の住まいの近くには、都内でも有数のお菓子の専門学校がある。最近建て増し(しかも複数)をしているくらいだから、学校としての人気も高いのではないか。食文化の充実という時流に合っているのだろうか。駅まで約10分の道で数人づつのグループと連続的に狭い歩道ですれ違う。登校のピーク時間帯と私の出勤時間がほぼ合っているらしい。

気づいたのは、すれ違う時に聞こえてくる彼ら(女性の比率がかなり高い)の会話のほとんどが日本語ではなく、中国語と韓国語であること。日本人の学生がいないということではない(だろう)が、その多くは寡黙なのだろうか。大きな声ではつらつとしゃべっているのはほとんどが日本人ではない。

あるネット上の就職相談コーナーでパティシエ志望の人に対する回答として、「友人が朝一から夜遅くまで働いて給料が10万もいかないと求人広告を見てなげいていました。思っているよりもキツイ仕事で給料も低く大変らしい」という書き込みがあり、他の情報などでも働く時間も長くキツイという意見が多くみられる。パティシエという華やかなイメージと現実のギャップが大きいということかもしれない。

しかし、あのはつらつとしたアジアの留学生の様子はどうだ。1学年200人ほどの学生の何割を彼らが占めているかはわからないが、彼ら留学生はやがて彼らの母国でも食に関わる仕事に大きなスポットライトがあたることを信じ、その中で自分の輝く未来を夢見ているのだろう。このままでは、日本の誇る食文化の担い手も日本人ではなくなってしまうのではないか。

これは、ハーバードを中心とする欧米の有名大学を日本人の学生がほとんど志望しなくなってしまったという事態の完全な裏返しである。外へ出てチャレンジするのもいやだ、かといってキツイ仕事につきたくはない。そこそこの暮らしさえできればいいのではないか。若者がこうした発想に陥っている責任の大半はその親の世代にある。私自身の背負うべき問題の一つをまたつきつけられた。

タグ:教育 留学
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