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東北大はそんなにすごい [気がついた]

どこの学校を出ているかで助けられた、という話はよく聞く。慶應の三田会と言えばその代表だ、著名な大学のブランド価値は大きいらしい。その効用を否定する人にはなかなかお目にかからない。でも自分の場合には、自虐的に言う訳ではないが、そうした「いい」思いをした記憶がほとんど、ない(高校は別だが)。それはお前の不徳の致すところだし、交友範囲拡大努力が単に足りないだけだろう、と厳しくつっこまれそうだが、そうかなあ、本当にそれだけなのかなあとずっと感じていた。

そこにたまたま東北大学の同窓会(萩友会)の関東支部総会に参加する機会を得た。大学を出て以来35年。始めてこうした催し物に参加した。今までもこうした催事はあったのだろうが、出ておかなければと意識したことはない。出不精でもなく、もちろん無視していたわけでもない。出たことがないのにえらそうなことは言えないが、会としての魅力、参加したいと思わせる仕掛けなどに足りないところがなかったか。おそらく、仙台ではこうした催し物が以前から淡々と継続・維持されているが、遠隔地である東京での活動が相対的にはやや低調だったということかもしれない。

同窓会という、身内だが当事者ではない、いわばサポーターでしかない勢力を、本体の活性化に貢献させたいという発想は、大学の内部に閉じがちなネットワークを社会に広げたい、そのことで大学としての価値を向上させ、さらに優れた人材を呼び込みたいという意図の現れであろう。であるとするならば、これまでの東北大の同窓会活動はやや狭小に留まりがちだったのではないか。三田会のキャッチに「慶應に入学してよかったと思うのは大学を卒業してからかもしれません」とある。

萩友会総会と同時に行われた講演会で大学の概況を聞くことができた。東北大は「世界リーディング・ユニバーシティ」を掲げてその目標に邁進しており、例えば朝日新聞社の「大学ランキング2011年版」によれば、全国の高校の進路指導者による総合評価で6年連続の日本1位、また「進学して伸びた」評価でも4年続けて日本1位など、既に高い評価を積み重ねつつあるらしい。たしかにこれはすごい。しかし、これまでは”クチベタ”が災いし、過小評価されてきたとも認めている。東京、大阪、京都から遠いこともハンディだったとしている。

「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」という建学以来の理念ががっちり堅持され、さらに進化しているというのも納得できる。が、しかしだ。研究を社会に直接結びつけ、埋め込んで、日本をどうやって元気にするのか、ここがもうひとつよく見えない。大学が事業の領域にまで自ら踏み込むことで、時代の新しい役割を果たせないか。クチベタでアピールがへただからなどと、できない理由を並べている場合ではない。産業との橋渡しに止まらず、さらに事業をいかに組み立て自ら進めるかというテーマに軸足を移すべき時宜がまさにいまなのではないか。


タグ:同窓会
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