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ベトナムで野垂れ死ぬほうがラク [雑誌記事]

8月30日号のAERA「老人はタイとベトナムに」という記事を読んだ。これは『家族』という特集の三つの記事の中の一つ。「老いた親よ、いなくなれ」「理想的にぽっくり死する方法」といずれも重い。これはかなり胸に沁みて痛い。自分は、母親が一人で仙台に住んでいるが、もう83歳だ。「家族同居が幸せは大ウソ」という冷徹な現実の突き付けから、「いなくなれ」という風の流れが今の日本にあることを見せられると言葉が続かない。

タイとベトナムの老人の話しは、もともと富裕層から始まった海外へのロングステイが、近年急速に大衆化している現象に着目したもの。定年退職という人生の節目を過ぎて、海外ロングステイという少し贅沢な一息をつくはずだったものが、そのまま居ついてしまう。あるいは最初からそれを目指して日本を離れてしまう。気分転換の一つであったロングステイが、近所づきあいや親戚づきあいが大変で、なによりお金がかかる日本から逃げ出す「逃亡型」に変質してきているというもの。

日本と縁を切りアジアに住みつく高齢者の多くは男性だそうだ。日本では家族や地域社会の中に居場所がなく、安住を求めてアジアに向うらしい。タイやベトナムなら物価も安く、のんびりとしており、日本の年金でもそれなりの生活はできることも、こうした流れを後押ししているらしい。

家族を捨て、故郷を捨て、国も捨てるという「逃避」願望を非難するのは容易いが、後ろめたさを伴わずにすむポジティブな仕掛け・政策といったものは考えられないか。日本がいま抱えているとほうもないつらい状況を、近隣諸国の手を借りながら解いていくことをもっと真剣に考えてもよいのではないだろうか。

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