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「20台を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」を読んで [読後の感想]

英語の話が続きます。「ペラペラバカ」を書いてから、まだ言い足りないというか、大事なことが出てこないなともやもやしていたとき、この不思議な本に出会った。おそらく干場さん(@hoshibay)のつぶやきで見かけたのだろうと思うが、書名が英語本にありがちなキャッチだったので敬遠していたのだが、書店でいつもの立ち読みパラパラ、期待していなかったのにホントに一瞬で引き込まれた。

日本人にとって、英語ができるということの、主に米国での価値とその実体的な意味を、自らの体験を下にして、荒々しく書き切っている。決して丁寧で深みのある表現、文章ではないが、不思議に納得させる力がある。現状をなんとか打破したい、そのために英語をという明確な目的を持つ若い世代にこの本を勧めたい。筆者の HIroyuki Hal Shibata氏(@HAL_J)も、試行錯誤で這い上がった自らを振り返り、この本を過去の自分に捧げたいと書いている。

この本のタイトルは「米国でちゃんとした職につくための英語習得法」とすべきではなかったか。HAL氏が掲げる最低限の目標はTOEIC860点。これはTOEIC受験者の2%しかいないので、普通に考えれば十分にすごいのだが、そんなものでは英語圏の国、少なくとも米国ではまともな職にはつけないと断じるところがこの本の神髄。英語が第二言語というハンディでは、交渉や説得の力が必要な営業職や事務職はまず無理で、専門性で勝負できる理系やシステム系でしか職につける可能性はない、それがだめだとすると社会の底辺を構成するような職しかないという現実。

日本の英語教育は、英語圏で誰の助けも借りず自分の力で職を得るなどということを想定していない、英語圏の人とコミュニケーションがとれれば十分としている。HAL氏は、米国で「英語は何年やってるの?」と聞かれるのが一番つらかったと書いている。受験英語だけではTOEICで高得点もとれず、かつTOEICは日本人と韓国人しか受験しておらず、英語圏ではなんの証明にもならないという事実はどう受け止めればよいのだろう。

この本のもう一つの特徴は、Twitterとblogをフルに使って書き上げられたことだろう。これは、手法や技法の最新情報や、より優れた方法へのアドバイスを積極的に受け入れるなど随所に生かされており、ともすれば秘密主義に陥りがちな(というか○○流が一番の売りにしたいはず)ノウハウ本の新しい形を示したとも言えるのでなないか。この著者のさらなる挑戦を期待したい。


タグ:英語 TOEIC
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