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地球は ありがたい 星 [講演を聞いて]

北の丸の科学技術館で開催された宙博(そらはく)2010、今回のテーマは「宙(そら)から始まる環境エネルギー革命」。その最終日10月31日に催されたLiveStageでの竹村真一氏:京都造形芸術大学教授の講演を聴いた。会場に足を運んだ小学生を中心とした子供たちとその親に向けた竹村氏のメッセージ。以下にその要約を紹介するが、さらに深い内容については氏の著作である「地球の目線」PHP新書をお薦めしたい。

ありがたい:有難いの本意は、存在がありそうもなく珍しいこと、これが転じて、優れているとか、またとなく尊いとなり、さらに身にしみてうれしい、本当にうれしいという意味で使われるようになった。人類を含む極めて多様な生物の存在を可能にした星「地球」は、まさに極めて稀なる条件の下で生まれた文字通り「ありがたい」星。酸素と水素が結びついた「水」がほぼ液体の形で存在しているのは太陽系では地球だけであり、おそらく宇宙全体でもかなり稀な存在だといえる。アル・ゴアの「不都合な真実」が示すように、かけがえのない地球という惑星を痛め続ける人間の行為に焦点をあてることで、逆説的にではあるが、まさにありがたい「好都合な真実」をはっきりと認識するようになった。

しかし、これだけグローバルな時代になっていながら、地球上で起きている様々なことがらを、実は何も知らないともいえる。東京で起きていること、北京で起きていることの断片は知っていても、それらが地球という星の上でどんなつながりを形成しているかを知らない。インターネットの発達が情報共有という利便性をこれだけ全世界に広げ続けているのに、地球全体のありのままの姿を知る努力、伝える努力はほとんどなされていない。グローバル化が経済を中心に進行しているのに、情報をグローバルに把握する環境がほとんど追いついていないために、いま起きていることを本当は良く知らないままでいる。みんなが地球のことをもっとよく知ろう。そうした思いからデジタル地球儀「触れる地球」を作った。これが日本中のそして世界中の小学校に置かれるようになれば、誰もが地球という星のありがたさを直感できるようになるはず。

例えば、全地球の酸素の4分の1を生み出している母なるアマゾンの森林が、耕作地の拡大のために毎年2万6千平方キロづつ失われている事実などもメディア活動が後手に回っているために、ニュースとして目の前を通り過ぎることはあっても大事な事実として認識されてはいないのではないか。地球の未来を託すべき子供たちにも伝えられていない。それどころか、日本の子供たちは生まれたときから、環境破壊と温暖化で地球はあぶない、未来はないかもしれないとネガティブなイメージを与えられ続けている。人間は地球にとってガンのような存在と映っているのではないか。

日本は雨が多く地形が急峻であり、そのままで何も手をつけずに豊かな自然の恵みを受けていたわけではない。我々の祖先は、里山や水田を作ることでゆるやかな環境を生み出すという努力をずっと継続してきた。緩和帯を設けることで自然の荒々しさを抑えることができてきた。手つかずの自然が常によいというわけではない。人間は地球のガンでは決してない。

人類が世界中で費やしているエネルギーの総量は石油換算で約100億トン。この1万倍のエネルギーが太陽光として地上に注いでいる。自然エネルギーである風力も太陽光もバイオマスですらその源は太陽からのエネルギーである。こうした自然エネルギーの利用が進んでも高々1%だとされていたのは既に過去のことで、欧州では自然エネルギーが全体の数分の一を占める国が現れており、その勢いがさらに増している。地球のことをもっともっとよく知ること。深い理解から目指すべき地球の姿が見えてくる。

地球は ありがたい 星
もっと 地球から宇宙を見よう!
もっと 宇宙から地球を見よう!
そして 未来をデザインしよう!
 

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