写真判定になった最も暑い年 （追補）

NewYorkTimes1月12日付けの記事を紹介したが、ひっかかるところがあったので、元ネタをのぞいてみた。

まず、NASAの News Topics の Looking at Earthでは、

NASA Research Finds 2010 Tied for Warmest Year on Record
NASA、1月12日発表。地球は観測史上トップにならぶ暑い年だったということを、地上の観測所と人工衛星からの観測を統合した観測事実として、ある意味淡々と示している。また、エルニーニョが6月頃にラニーニャに急転換し、しかもその規模が前例にないほど広範であることからその影響の拡大が懸念されること。さらに、極地方の気温上昇によって極を覆う氷が減少し続けていることが大気循環に大きな乱れを生じる可能性にも言及。

また、この公表結果は英国の気象研究所及び米国のNOAAとの共同作業でもあり、３つの機関の観測結果の整合はよくとれていると述べている。以下はその原文。

"The resulting temperature record closely matches others independently produced by the Met Office Hadley Centre in the United Kingdom and the National Oceanic and Atmospheric Administration's National Climatic Data Center."

さらに興味深いのが、次の発表。
"Despite Subtle Differences, Global Temperature Records in Close Agreement"
先の発表の翌日の13日。12日の発表の補足か。あるいは、僅差の「トップタイ」という見出しのインパクトが強く、メディアの取り上げ方もそちらに偏っていたために、大事なのは去年が一位かどうかではなく、最近特にこの十年間はずっと暑かったことが重要な事実だということを強調するためにあえて追加したのかも。過去最高かどうかという議論については、実は英国の気象機関の調査では、1998年が史上最も暑い年で、それ以降は温暖化など進行してはいないという、いわゆるクライメートゲート的な解説をするメディアさえあるような状況に対して冷静な判断を促したものとも解釈できる。いずれにせよ、こうした領域の発表に対して、賛否は別としても米国の国民がしっかりと反応するということではないだろうか。

NOAAの発表はこれ。1月12日発表。

タグ：異常気象 温暖化 高温多雨