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サッカースタジアムに続くグリーン・ストリート [新聞記事]

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「鹿島のホームでよかった」吉田誠一、“フットボールの熱源”、日経朝刊2011.3.9、より

鹿島アントラーズのホーム、カシマ・サッカースタジアム(鹿嶋市神向寺)は、茨城県営の施設であり、鹿島FCが県から指定管理者に選任されてその管理を行っている。J1のクラブが、地方自治体が所有する競技場の管理運営をまかされているのは初めてのこと。2006年の4月から現在の形がとられ、今年で5年が経過、昨年の県議会で次の10年間の延長契約が認められている。これを受けて、運営する鹿島FCでは10年先を見据えた長期の計画を策定し、4月からいよいよ新しい運営がスタートする。

この計画では、競技場としての機能を維持・向上させていくだけではなく、スタジアムが地域と一体になって地域開発の核になっていく姿を打ち出すことで、スタジアムの収益性を高めていくことを大きなねらいとしている。

新しいスタジアムの目玉として、鹿島臨海鉄道の鹿島スタジアム駅から住友金属ゲート(第2ゲート)に向かう延長72mの通路に新たに屋根を設ける工事が現在進行している。ここは通路としてだけでなく、地元産の農産・水産物を販売する市場(マルシェ)としての機能を持たせる計画だ。ここでは年間100日の営業を目指すとともに、各種イベントにも活用し、ここから新しい地域の「にぎわい」を発信していこうとするもの。

通路の屋根には太陽光発電のパネルを多数設置してスタジアムの使用電力にも充てる点も、大規模な競技施設が環境への積極的な関与を示すものでこれも注目されるところ。また、使用する太陽光パネルは、あえて結晶型、薄膜型、非シリコン型の3種を併用し、各々の発電量を日々公開することで環境への関心を高めたいとのねらいもあるようだ。

このパネル設置については、地域グリーンニューディール基金から補助(環境省)を受けているとのことで、公営の施設である県立競技場のアドバンテージを最大に活用できているということでもあろう。こうした場所への公的支援は広い理解を得られるし、これをきっかけにより大きな成果が生み出されることを期待したいものだ。

この計画を進める鹿島FCの鈴木秀樹事業本部長は、「目指しているのは、この地域の価値を高めること。それが真の地域開発だと思う。住民に『ここに住んで良かった』『アントラーズがあって良かった』と思ってもらえるようにするのが我々の仕事」と語っている。まさに駅からスタジアムに通じる路はグリーン・ストリート、ここにカシマの哲学がある。

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