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顔は心を映す鏡 [雑誌記事]

「顔は性格を反映する」パテカトルの万脳薬、池谷裕二、週刊朝日2012.2.24より

人は見かけだけじゃないというのは、性格や行動を考えるときなどによく言われる。逆にあの人は見たとおり、まんまだねとかとも言われたりする。たった一度の出会いで深い恋に落ちるということもあるようだし、その人となりを一発で見抜くとかいう話もこの類だろう。確かに、会った瞬間にわかるということはある、と自分の経験からも言える。雰囲気なのか何かよくはわからないが、生理的な部分での反応なのかもしれない。出会った後に情報が増えて最初の印象を修正することもよくあることだが、さらに長くつき合うとメッキがはがれ、実は一番最初の直感の通りだったということも多い。不思議な判断力というべきか。

池谷氏によると、ヒトの脳は顔に敏感で、30分の1秒というわずかな時間でも、顔の特徴を判断できるといい、高速の神経計算が行われていることがわかるという。ヒトの顔だけに異常なほど鋭い感受性を進化させたのは、裏を返せば顔は性格を反映することの証しだともいう。見知らぬ相手が、自分に害を及ぼすか益をもたらすかの判断は、動物としての生存をかけることになるので、ヒトの隠れた能力としてビルトインされているらしいのだ。

研究によれば、カードゲームで裏切りを働きそうな人を顔写真から選んでもらうと、確かにその通りの人を選択できることや、女性は子供好きな男性を顔写真だけから選ぶことができることなどが知られているという。なんか、とんでも系の話かもと思いがちだが、決してそうではないらしい。例えば、見かけによる判断は政治においても重要で、選挙で2人の写真を見せ、「どちらが当選するか」を問うと、70%近い確率で当選者を当てられるという。さらに小学生に「どちらの人に船長をお願いしたい?」と尋ねても、やはり当選するほうが正しく選定されるという。写真の表情に信頼・安心がにじむということか。

ここで大事なのは、選挙で選ばれる人イコール相応しい能力のある人とは限らないということ。理由はともかく、そのヒトの「見かけ」だけで多くの人が惹きつけられるということだ。好ましく感じるというのが正しいかもしれないが、真実の姿を見抜いているわけではないにもかかわらず、「一目惚れ」させる力の源泉が「顔」にあるというのは大変に重要なことだとも思う。

池谷氏は最後に「内面が見かけに表れるのならば、結局は、外見の印象による判断も理にかなっているのかもしれません」と結んでいる。「男の顔は履歴書だ」と言ったのは大宅壮一氏らしいが、内面が見かけに表れることをしっかり覚悟しておかないと、ここという肝心なときに痛い目に会うということだろう。

顔。心しなければ。あ、遅いか。


タグ: 性格 見かけ
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