SSブログ

さらば、Green [新聞記事]

dotgreenblog-articleInline.jpg先週の金曜に突然、ニューヨークタイムズ(NYT)のGreen Blogの閉鎖がアナウンスされた。
このブログは、米国の主要メディアの中では執筆陣も充実しており、米国を中心とした環境やエネルギーの現状と課題を知るにはよい情報源だっただけに、驚きが広がっている。NYT全体にしてみれば、そんなに大きな影響がないと考えてのことかもしれないが、環境やエネルギーに近い関係者や研究者からは大きな反発が起き現在もまだ収まる様子がない。

The Nation誌で定期的にブログを書いている Greg Mitchell 氏は、先週末にニューヨークタイズム(NYT)が突然に発表した環境ブログ(Green:A Blog About Energy and the Environment)の閉鎖に噛み付いている。
http://www.thenation.com/blog/173214/nyt-axes-green-blog-after-dropping-environment-unit

'NYT' Axes 'Green' Blog, After Dropping Environment Unit というタイトルが語るように、Greenブログの閉鎖は、その前に起きたNYTでの環境部門の縮小に続いたもので、少しも唐突ではないという。金曜日の「事件」については、いろいろな見方があるようだが、結局は経営不振のメディアの代表の一つであるNYT(限った話ではない)が採った、普通の経費削減策の一つということらしい。それにしてもなぜ「環境」を、しかもこのタイミングでなの?というのがMitchell 氏の意見。

そもそもこれだけ批判が巻き起こることが十分に予想される重要な決定を、金曜の午後5時にネット上でポンと投げてすますという感覚がおかしいだろう。悪い話は金曜の午後5時にポストするというのは、大きな企業や組織の不祥事公表にはよくあることで、できるだけこっそりとすませたいという思惑が見え見えなのだと手厳しい。

また、この'Green' にもよく寄稿している Andrew Revkin 氏は'Green' について、これまでの4年で5,364の投稿を重ねてきた環境関連のニュースと分析における最高の集積者(aggregator)だったと評し、今回の措置に疑問を投げかけている。

http://dotearth.blogs.nytimes.com/2013/03/02/a-farewell-to-green/

NYTで Public Editor's Jounal を担当している、Margaret Sallivan 氏は、以下のブログの中で、今回のブログ閉鎖で起きているさまざまな場所での混乱や批判に言及しているが、その最後では、まずNYTの編集者たちが、環境関係のニュースは中止したのではないし、最重要との位置づけは変わらないし、今回の変更に代わる新しい方策を探ろうとしていると読者に訴えるべきだと述べているのだが、これは穏やかな言い回しだがきつい要請だ。あんたたちは、経営のせいにしてるみたいだけど、みんな頭にきてるよ、そのことをよくわかってるの?ということだ。

http://publiceditor.blogs.nytimes.com/2013/03/05/for-times-environmental-reporting-intentions-may-be-good-but-the-signs-are-not/

一地方誌(NYTは全国紙ではない)の、一つのブログの小さい話なのだが、その内容を良く知っているものからすると、どうしてこんなに社会的にも影響力の高いものを、いとも簡単に閉鎖したんだという失望と批判が巻き起こるのも当然かなとも思う。逆に言えば、NYTの編集方針からはみ出すほどの影響力を持ち始めたために、扱いに窮していたということもあるのかもしれない。

小生も米国での環境やエネルギーに関する動向を探るときの入り口はここだっただけに、Greenの消失はかなりショックだ。これからいったいどこへ行ったらいいんだ!というのが正直なところだが、これをきっかけにして視野を広げろということかもしれないと腹をくくっている。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

-

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。